奨学会と私

http://sankei.jp.msn.com/life/education/081010/edc0810101144008-n1.htm
(yahoo版 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081010-00000113-san-soci

ブクマもしたけど、書ききれなかったのでこっちにも。

奨学会側が何の対策もしてなかったんかというのもあるけど、正直ビックリしたのはこの関連で調べたときに出てきた「奨学金という名のローン」「詐欺」と言い切る人の多さ。もう馬鹿か阿呆かと小一時間…のフレーズが出かけるほどあきれました。
進学にかかる費用は確かに高いし、私だってそれでいいとは思わないけど、本人の承諾なく受給されることはなく、返還の条件は金額含め提示されている。奨学金受けようってことは義務教育は終了しているはずで大人ではないにせよ十分に判断はつく年齢のはず。その時点で将来のリスクに対する覚悟ができている上で受けるもので、言い訳は通用しないと思うのだが…。
地方自治体に多い「高校進学の際に親が勝手にできる」やつだけは親が悪いってことで、ちょっとだけ同情の余地は在るけどね…。あれだけは主返還者を親にするべきだと思う。

…当り散らしただけでは何なので、自分と奨学金についてちょっと。

私も学生時代に某奨学会の奨学金を受けていました。
卒業してからそれなりに経っているので既に返済は終わっているのですが、9月中旬に毎年ある連絡が来ます。

「懇親会」の連絡です。

現役の学生さん、OB、理事長筆頭に運営関係者が集まり、無礼講(…はちょっといいすぎかな)の食べ飲み会となるのですが、この手の席でお約束になりがちな寄付とかのお願いは一切ありません。
それどころか現役・OBの分共に奨学会が費用を全額持ってくれます。しかも会場はいっぱしの学生が、下手すると社会人でも躊躇する高級店ばっかり。去年は帝国ホテルティーラウンジでのビュッフェでした。
日頃節制に努める学生さんにしてみればタダで旨い酒と食事をいただけ(ビュッフェだと「昨日からメシ抜いてきました!」と宣言し、大食い大会よろしく食いだめる者もいる)、そんな過去を経たOBは文字通り「同じ釜のメシを食った仲」の仲間と現役の頃を懐かしみつつグチをこぼし励ましあい、運営側にしてみれば書類でしか知らない学生を直接確認できるまたとない機会となります(多分)。上下の交流ももちろんあり、貧乏生活の知恵の教授に始まり、就職(活動の)相談、同じ専攻であれば卒業研究のネタ提供と話題には事欠きません。

運営関係者がいる…ということで当然奨学会の運営自体の話になることもあります。
理事長曰く「運営は楽ではない」とのことで、やっぱり滞納者もいます。恥ずかしながら私も何回か…。
ただ、懇親会出席者の返還率は高く、逆に長期の滞納が多いのは懇親会に一度も来たことのない人なのだそうです。
始まりはタダメシに釣られてでも、受給中の現役生や返済中のOBと定期的に顔を会わせ、運営関係者とも実際に会うことで「継続するためにもちゃんと返さなきゃ」という意識が自然にできていくのかもしれません。

…実は理事長、策士デスカ?と思うこともありますが、奨学金は無利子返還のものの上、OBに対して寄付のお願いが出たなんて話は聴いたことがなく、どうも日頃の運用の積み重ねで毎年の会の費用や運営費を捻出し切り盛りしているんだという話なのでホントに頭が下がります。
だからなのか、懇親会後の二次会は運営側の方がいる場合でも「極力OBが負担する」のが暗黙のルールとなっていたりします。

明日はその懇親会。多分このことも話題の一つになるんだろうなぁ…。